ＮＰＯ法人高岡鳩の会ホームページ

ＮＰＯ法人高岡鳩の会の活動理念

草の根の国際交流その試みの一つとして


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ＮＰＯ法人高岡鳩の会 　　　　　会長　永原龍峻

　中国のことわざに ｢狗里吐不出象牙来 ｣という言葉がある。　それゆえ、私はなにかを発表することにためらいを感じる。しかし、公認された団体の社会的責務として、その活動について報告する。
　平成十一年九月、高岡鳩の会は、県内で初めて ｢国際協力の活動｣ を目的としたＮＰＯ法人として認可された。私達の主な活動対象国は中国であるが、交流団体を結成する大きな契機となったのが、中国の青年たちと私の家族や友人達との間の胸襟を開いた素朴な交流であった。　昭和五十八年に、富山県が中国遼寧省から四名の第一期農業技術研修生を招へいした。その中の一人の中国青年を私の父母が三ヶ月間、受入農家として世話をした。私の父にとって、中国人に身近に接するのは、日中戦争の激戦地で銃火を交えていた時から数えて、実に四十五年ぶりのことであった。
　現在富山県に在留する中国人は約五千名。二十五年前の中国からの来訪者は、十名にも達していない。私達は彼らと意思の疎通をはかるため、中国語会話の勉強会を立ち上げた。
　国や県の国際交流事業の進展に伴い、中国人留学生や研修生も徐々に増えはじめた。
　昭和六十年から、中国旅行を兼ねて数次にわたり中国各地を訪問し、我が家を訪ねて来た中国で活躍している留学生らと旧交を温めてきた。
　平成六年に中国語を学ぶ者が中心となり、任意団体高岡鳩の会を結成した。平成十一年には、この会にとって画期的ともいえる出来事が起こった。会の発足以来中国人留学生らと、日本人は中国語で、また、中国人は日本語で好きな歌を歌い、歌曲を通じて相互理解を深めるという目的で実施してきたささやかな交流事業の日中歌合戦であったが、この年の四月に、高岡市の国際友好都市錦州市政府の招請を受け、高岡鳩の会は第七回日本対中国歌合戦を中国の錦州市で開催した。更にこの大会の中国側入賞者三名を、翌年開催の第八回日中歌合戦に招待した。
　錦州市での日中歌合戦の開催は、高岡鳩の会がこれまで培ってきた中国の人達との長い交流の成果であるとの評価を受けた。
　私達は活動の目的を明確にするため、任意団体をＮＰＯ法人に組織替えすることに決定した。一過性の国際交流だけで済むのならば事は簡単である。多国籍・多文化共生の時代には新しい隣人との地道な継続性ある多様な交流が求められている。
　高岡鳩の会の設立趣旨は次のとおりである(抄出)。
「 私達が住む富山県においても、恒久的な世界平和を希求する我が国の国是に従い、行政や民間の各分野に於いて、諸外国との交流が幅広く行われています。私達はこれら行政機関等が推進する国際交流活動に対し側面から協力するとともに、それぞれ各人が胸に秘めている善意と向学心及び創意を発揮して、地域社会に密着した外国語講習会や日中歌合戦、外国人の為のボランティア通訳等の草の根の国際交流事業を企画・実行し、多くの人たちと共に国際親善に寄与する活動を行う目的を持って、ＮＰＯ法人高岡鳩の会を設立する。｣
私達はこのＮＰＯ法人の目的に沿うため、国内では中国語講座、日中歌合戦、中国語レシテーション大会、交歓会等の事業を開催する。海外では中国錦州市で平成十四年より隔年に大学生を対象にした日本語弁論大会を開催し、毎回三名の成績優秀者を高岡に招待してきた。この会の財源は、中国語の受講料と会費、事業の実費参加費及び有志者の有形無形の奉仕で成り立っている。
　平成十六年と十八年には内モンゴル自治区のホルチン砂漠にあるガザ小学校を訪問し、教育支援と砂漠化の実情を視察してきた。平成二十年には錦州市で第四回日本語弁論大会を開催する。


　　　　　　　ーＮＰＯ富山県日中友好協会機関紙　「日本と中国」富山県版第１６３号掲載ー

ＮＰＯ法人高岡鳩の会とはどういう組織？